この情報はちょっとだけ誰かに役に立つかもしれないから記事にしてみます。
貧乏なCG屋さんにはBTOパソコンか自作PCしかないです。
昔はケーブルをさし間違えるだけでマザーボードが壊れてましたけど、最近自作PCは本当に簡単になってきました。
しかし、それでもちょっとだけの知識が必要で、何台を作るのはしんどいからBTOですね。
まずはパーツを決めておこう。
今回のPCの目的はSoftimageやMayaでモデリング・アニメーション、MentalRayでレンダリング、レンダーファームでも使うかもしれないけど、GPUレンダリングはしない予定です。
なので、GPUよりCPUが重要ですがそこまでパワフルなCPUじゃなくても大丈夫そうです。
CPU
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高性能クラスCPUではIntelの方が最近強いですね。自分のPCはAMD Phenom II x6ですけど、最近のAMDはなんか微妙です。
今のAMDのトップはFX-8150です。8コア 、クロック:3.6Ghz。なかなか良いスペックに見えますね。
しかし、AnandtechのCinebench と 3DSMax と x264HD エンコーディング と Photoshop のベンチによると Intel の i5 2400 (4コア、3.1Ghz)と同じぐらいです。
Anandtech : AMD FX Review
このPremiere Pro と 3DSMax (SPEC) のベンチでも i5 2500 と同じぐらいになっています。しかし、Blenderでは i5 2320にも勝てません。
XbitLabs : AMD FX Review
Intel i5 の 最新モデル(Ivy Bridge)は 3 から始まります: 例 3550, 3570K。
でも i5 2 (Sandy Bridge) とあんまり差がありません。
BitTech : Intel Core i5 3570k Review
因みに、Tom'sHardware のCPUの比較サイトは結構参考になりますよ。Ivy Bridgeが入っていませんけど。
そして、BTOパソコンの店を調べてみると、Intel i5 ベースのモデルの方が多くて安いので、やっぱりIntelですね。
なので、「Intel i5 3550」は一番コストパフォーマンスが良いと思います。
ただし、店によって3570Kにするのに+1000円ぐらいになるので、それだったら3570Kの方が良いでしょう。
i7 3770 は 4コア *2仮想コア(=8コアっぽい?)の方がもちろん良いけど、+8000~9000円ぐらい高くなってしまい、ちょっと予算オーバー。
そして、+9000円の価値はあるかっていうと、ないと思います。特にこの場合。
グラフィックボード
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俺はプロだからQuadroだろう!と良く聞くんですけど、
騙されないで下さい。
予算に問題ないお金持ちCG屋さんなら良いけど、今回は定格のPCなのでQuadroはOUT!です。
レンダリングの仕事するとQuadroだろう!とたまに聞くけど、
騙されないで下さい。
現在GPUレンダーリングするレンダラーが増えてきてますが、まだまだ一般的に使われているレンダラーはほとんどCPUベースです。Mental Ray, VRay, Arnold だってCPUです。
ってどういうことですって?
CPUのレンダラーを使う場合はレンダリングする時にGPUが使われないので
Quadroを買っても、3000円のグラボを買っても、レンダリング時間と画質は変わりませんってことです。
そして、3000円のグラボでも最高クラスのCPUを使えばレンダリングが速いってことです。
Quadroを買うならMedium ~High スペックじゃないとあまり意味ないです。
低価格のLow スペック Quadro でも 超ハイメッシュの作業している場合はGeForceより速い可能性が高いです。
低価格のLow スペック Quadro はメモリー量が少ないので、大きい解像度のテクスチャだと少し負担が大きいかもしれません。
つまり、安いQuadroはあんまり良くないので、低予算のPCになるとゲーム用のグラフィックボードしかないです。
NVidia は GeForce 480 以降に3Dソフトでのパフォーマンスは無理やりに制限をかけているらしいです。
噂によると、Quadro との差を広げるためです。
xsibase と softimage メールリストでは、簡単なテストしたところではATI の圧勝でした。
ハイポリのキューブを回すというシンプルなテストでしたが、
G.Board | Resolution | Shaded | Wireframe |
Quadro FX 4800 | 2560x1440 | 32.9 | 25.2 |
Quadro 4000 | 1920x1200 | 48 | 71 |
GeForce GTX 570 | 1920x1080 | 54 | 60 |
GeForce GTX 275 | 2560x1600 | 32.2 | 24.6 |
GeForce GTX 460 1GB | 1920x1080 | 40 | 58 |
GeForce GTX 560Ti | 74.3 | ||
Radeon HD7970 | 170 | 168 | |
GeForce GTX 460 | 77 | ||
FirePro V8700 | 69.2 | ||
GeForce GTX 280 | 28.8 | 16.2 | |
GeForce 560Ti 2GB | 42 | 60 | |
GeForce 560Ti 1GB | 33 | ||
GeForce 8800GT 512Mb | 24 | 14 | |
GeForce GTX 570 1280Mb | 42 | ||
GeForce GTX 470 | 10 |
高性能のゲーム用のグラフィックボードを買える予算があれば、AMDの方が良さそうですね。
残念ながらテクスチャ込みのテストが行われていませんでした。
SoftimageメールリストでもPro用カードを使っている会社やフリーランスが少なかった所が驚きでした。
やっぱり、高いですからね。
GeForce 480以降のユーザーたちによると、テクスチャ表示のパフォーマンスは落ちるらしい。
自分は実際に480以降のGeForceのテストはまだ出来ていないので、良く分かりません。
因みに、自分のPCはGF460です。
※ 追記:2014/4/14 ------------
新しい情報:
GPUレンダリングの場合はゲームカードの方が圧倒的に速いです。
GeForce GTX780 は Quadro K4000 の 3倍速い。
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Blender コミューニティーによると、NVidia の GeForce は 「two-sided lighting」 は非対応にされた為が原因だそうです。なので、この「two-sided lighting」を無効にすれば良いと。Blenderはそういう設定も出来るらしい。
MayaのViewPort2 ではこの問題がないため、さくさく動くそうです。
MAXとMAYAのビューポートはめっちゃうらやましいな~。SI Singaporeがんばれ~
Softimageの「two-sided lightning」オプションとかはオフに出来ない・・・よね。
OpenGL の glReadPixels は GTX285 より遅いらしいけど、そんなのよく分からん。
一方、AMDは昔からドライバー問題が多い。si-community では SIでは色々問題があったから、グラボのドライバーを一個前に戻したらすべてが直りましたという書き込みがありました。
何ヶ月前も、ポイント選択する時にラグ(遅延)が出てしまうという問題は色んな掲示板に出てきました。ドライバー更新で直ったらしいです。
しかし、パフォーマンスではNVidiaを上回っているようです。少なくても高性能レベルのゲーム用グラフィックボード。
ここまで色々書いてしまったんだけど、今回選んだグラボは
NVidia GeForce 550Ti - 560
AMD Radeon 6770 - 6850
良いグラボを買う予算がないけど、せめてゲーム用のミドルレンジが欲しいですね。
グラボはOverclockingしない限り簡単に壊れたりしないから中古品でも良いと思います。
GeForce 460 とかの方が良いし、安いかもしれない。
その他
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RAM メモリ
16GB RAMぐらいは良いでしょう。
それ以上だと8GBのDIMMになるから結構値段が上がってしまいます。
メモリは壊れやすいし、新品も安いから中古はおすすめしません。
速いメモリはOverclockingしないと意味があんまりないので、おすすめしません。
高速メモリにこだわる人も居るけど、実際にそんなに差が出ません。
レンダリング時間はおそらく1秒も減りませんし、ゲームやっても1FPS上がらないと思います。
ハードディスク
500GB~1TB の普通のHDDで良いと思います。データ倉庫として十分。
パフォーマンスを上げたければ SDDにするのがお勧めです。
重たいファイルを開く時や、重たい動画編集する時にSSDがあるとないと全然違います。
レンダリング、モデリングとアニメーションには影響がありませんから、目的をちゃんと考えて選びましょう。
モデリングとかに影響がないとは言っても、SoftimageやPhotoshopはすぐに立ち上がるのでストレス減になるかもしれません。
60GBのSSDを使って、メインアプリやキャッシュ用にすれば、パフォーマンスがかなり上がります。
バランスを考えると128GBはおすすめですが、お金に余裕があればもちろん128以上のSSDの方が良い。
SSDの寿命は短いと言われているので、中古は新しいモデルじゃないとおすすめしません。
今回は予算ないから、SSDは無しで。
マザーボード
Overclocking しないかぎり、安いほうで良い。
対応するメモリの量、CPU対応、USBやメモリスロットの数で決めれば良いじゃないかな。
それ以外の機能はあまり使わないですね。
まぁ、BTOで買うんだったらそこまで選べないしね。
ケース
実は自分はケースやPSUに結構こだわりますが、
今回は低予算のPCなのでそんな贅沢なことが出来ません。
なので、安い方で良い。
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パーツはだいたい決まっていれば後は店を探すだけです。
色んなBTOパソコンの店のサイトを調べてみたんですけど、どれも高くて予算オーバーしちゃいます。
スペックを下げる前に他の選択肢を考えてみました。
Faith では RAM 4GB から 8GB にするのに +4000円かかります。
しかし通販の値段を調べてみると、4GB2枚(合計8GB) は 3300円ぐらいです。
RAMはさすだけだから素人でも出来ますんで、別で買ったほうが良さそうですね。
次に、簡単にインストール出来るパーツはグラボです。
グラフィックボードも高いしね。
また Faith で調べてみると、GTX 550Ti は +¥12000 になってしまいます。
これも価格サイトで値段を調べてみると、通販で買ったら8600円しかしません。
これも別で買えばちょっと節約出来ます。
i5の場合は内臓GPUはCPUに入っているため、最初は内蔵GPUで使って、
必要になったら後で良いグラボに買い換えるというオプションもあります。
それで、ねずみのお店で一番安いPCを探すとこうなりました:
i5 3570K | 8GB RAM | HDD 500GB | グラボ無し
通販で別でメモリとグラボを買って、
16GB + GeForce GTX 560 1GB = 77623 円
出来た。8万円に抑えました。
つまり、BTOは最低スペックにして、こだわりのパーツは別で買ったほうが安いかもしれません。
知識(ちょっとだけ)と時間のある人にはもちろん、自作は一番安い。 Read more